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04. 修羅場にて ~講談師の歌~

終わりのない芸の世界でひたすらに自分の理想を追い求め高座に上がり続ける講談師の皆様へ...

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この命尽きるまで あの日惚れ込んだ高みへ

つばなれしない空板の日々 張り扇が響く
程よく枯れた声が耳馴染みよく 自分の声にため息つく
師匠の息継ぎまで聞き逃すまいと 聞き逃すまいと聞き耳を立てる
それぞれが命を吹き込んだ 銀鱗躍動する主人公

冷め切ったお茶に映る ちっぽけな自分

この命尽きるまで あの日惚れ込んだ高みへ
「最高」を知った瞬間 魂はこれほど震えるのか

嗚呼 壁に跳ね返るだけの声が あなたの心を打つよう


まるで見てきたように堂々と その時代にお連れするのでございます
努力の跡など見せずに 皆まで語るなど野暮なことせずに
人間の欲望と苦しみと残虐さと優しさが滲み出た言霊が
人々を救うのだろう 人々を救ってきたのだ

時代を越えることができたものだけが 拍手で迎えられる

孤独を愛し 個に飢える 歯を食いしばって生きればいい
つぎはぎに慣れた世界で 当意即妙に勝負をする
孤独を愛し 個に飢える 当意即妙に勝負をする
心意気はあるか、、、 心意気は、、、

満足など皆無の あっけない人生に身を投げ
明日に残せるだろうか 極めた先に光があると
さぁ 命尽きるまで 眠りから甦らせるとき
高座の上 映し出さるる 話中の情景だけが

嗚呼 壁に跳ね返るだけの声が あなたの心を打つよう

Location

お江戸日本橋亭

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